SSブログ

くろさんのお話 [→しんり・くろ・ぽとふ]

■希紫 さんへ捧げ物♪
■くろさんのお話
■ねこしょうかい★
_____

■希紫 さんへ捧げ物♪
kishi_novel100912.jpg
希紫 さんのみお持ち帰り下さい♪

希紫 さんのブログ『海星』はこちら

挿絵っぽい物も描かせて頂きました~★
蝶子ちゃん可愛いよvv
お話もイラストも描いててとっても楽しかったです(^^)
_____

■くろさんのお話
希紫さん宅から蝶子ちゃんと鷲庵さん(チョビット)をお借りしました~♪

以下続きに原寸有ります、本文と共にお楽しみ下さいv
 ̄ ̄『蝶の小路』 ̄ ̄

学校からの帰り道、家路を急ぐ。
ゆっくりと帰宅しても構わないのだけれど、共に家路を辿る学友が居る訳でも無く、まだ残暑の厳しい帰路を一人行くのなら早く戻って主様に冷たいお茶のひとつでも出して差し上げたい。
だからと言って、友人が居ない訳でもありませんのよ?
仲の良い友人達は残念ながらそれぞれの自宅の方向が異なって私と同じ道を通る方がいらっしゃらないだけですの。
そのような理由で、一人白い石畳で舗装され整備された閑静な商店街へ続く公園脇の小路を歩く。
今日もいい天気ですこと。
空も風も随分と秋めいてきたと言うのに、この陽の暑さだけは夏を続けているよう。
ハンカチで額の汗を拭いそのままパタパタと扇ぐ。
「蝶子?」
ふぅ、とため息をついたらどなたかに声を掛けられました。
声の方に目をやると黒髪(前髪だけは髪質の為なのか光の加減で銀色にも見える)に黒い瞳をした22歳くらいの着流しを着た男性で、屈託の無い笑顔を向けておられます。
「くろ様」
「くろでいいよ」
この方はくろ様。
主様のご友人で私にも気安くお声を掛けて下さいます。
「蝶子はガッコの帰りか」
「はい。くろ様はお散歩ですか?」
にっこりと尋ねるとくろ様は制服に学生鞄、革の靴姿の私を眺めて「そうだ」と頷き、「ガッコ姿も似合うじゃないか」とぽんぽんと軽く叩くように頭を撫でて下さいました。
お顔の作りは端正で少々吊り目気味な瞳など綺麗で冷たい印象を持っても不思議では無い筈なのに、どこかしら暖かな柔らかい優しい雰囲気を醸し出すのは人懐こい笑顔の為かも知れません。
主様とはまた違った素敵な笑顔だと思います。
「あ、くろ様。もしお時間などございましたら、当家へお寄りになられませんか?」
「蝶子んチか・・・。ん~・・・。鷲庵に又こき使われそうだな」
そう言いながらも笑顔を見せて下さいます。
「にしても、暑いな」
「そうですわね、残暑とは言いますものの・・・」
「おっ、アレ食わないか?」
そう言ったくろ様の視線の先にはクレープやアイスを販売する車が停まっております。
「バニラでいいか? あ。いちごがいいか?」
私の返事を聞く間も無くそちらへ歩き出すくろ様。
「あの。私・・・」
「間食や寄り道、買い食いはダメなんて言うなよ?」
カラコロと下駄の音が心地よく響きます。
お店のメニューの看板の写真を眺めながら「ん~、どれにしようかな」と悩むくろ様のお姿を拝見していると何だか可愛らしいと感じてしまい、くすっと笑みがこぼれます。
「では、私はコレを」
ブルーベリーとバニラのミックスのソフトクリームの写真を指さしてくろ様に笑顔を向けます。
「お、それも旨そうだな」
くろ様も笑いながら賛同して下さいました。

食べながら歩くのは得意では無いし、余り感心出来ないと思うものの日除けの無い通りのベンチに腰掛ける気にはならず(日陰のベンチは満席でしたの)お行儀が悪いと知りながらくろ様と二人歩きながらソフトクリームを頂きます。
私はブルーベリーとバニラのミックスを。
くろ様はバニラと抹茶のミックスで。
お店の方が小さなプラスティックのスプーンをつけて下さいましたから、とっても頂きやすくて助かりますわ。

のんびりと二人並んで歩いておりますと、何かしらの視線を感じます。
相手に悟られぬようそっと視線を回すと、私と同じ学校の制服に袖を通した女子が数人こちらを見てひそひそときゃあきゃあとお話をしておりました。
耳を凝らすとどうやら私と一緒に歩いているくろ様の事ではしゃいでおられるようでした。
主にカッコイイとかその類に該当する会話のようです。
時々私の事にも触れています。
曰く、「あの子(私の事)何組の子だよ」とか「彼氏かな?」とか。
そのような言葉の端々を拾いながら素知らぬ顔で歩き行きますが、隣を歩くくろ様は我関せずと言ったご様子です。
・・・見られていることも他愛なく可愛らしい会話に昇っていることも気にして居らっしゃら無いのか、よもやご自分の事と思われていないのかも知れません。
そう言えば、日頃からくろ様はご自分に寄せられる好意は友愛やそれに近いものとしか受け取られていない節があります。
主様も時々苦笑してしまわれる程。

「ん? なんだ?」
「いいえ、アイス、美味しいですね」
私の視線に気づいたくろ様に笑顔で返します。
と、つい今し方ご自分のアイスを先に完食されたくろ様が、ふと何かを見つけたようなお顔をされて私へ指先を伸ばされました。
「溶けて垂れそうだぞ」

kishi_novel100912.jpg

そのままくろ様がそっと反対側のコーンに巻かれた紙の上に指を滑らせ溶けて流れ落ち始めたアイスを掬いそのままぺろりと指を舐めとります。
「あらまぁ。大変」
制服が汚れたりしなかったかしら。
不安に思って下を見ようとすると、くろ様が笑いながら仰いました。
「まだ大丈夫。落ちてない。ぱくっと急いで食っちまえよ」
「ふふ、はい。では、急いで頂きますわね」
木陰で立ち止まりくろ様に足を止めて頂いて随分と緩くなってしまったソフトクリームを食します。
以前にお友達に誘って頂いて飲んだシェイクのようになっていましたが、ブルーベリーの風味が効いて、最後までとても美味しく頂けました。
その後、ゴミもキチンと処分してから又家路を辿り、程なく私の住む千龍寺へと到着しカラカラと木の引き戸を開けて主様に帰宅を伝えます。
「ただいま戻りましたわ、主様」
「ああ、お帰り蝶子。帰って早々で悪いが、出られるか?」
「はい、主様。直ぐに支度をして参りますわ」
自室に鞄など置きに戻ろうと廊下を歩みながら、そうそう、と主様を振り返る。
「主様、今でしたらまだ麓の辺りにくろさまがいらっしゃるかと存じますわよ?」
少し意外そうなお顔をされて私を見返す主様。
「帰宅途中にお会いしまして、麓まで送って下さいましたの。どうぞお上がりになられてと申しましたのですが、断られてしまいましたわ」
「俺に会うとコキ使われるって?」
イタズラな笑みを浮かべる主様に「はい」と返事をいたします。
「そりゃ、アタリだな。先に出てくろを捕まえてる。追っておいで」
「はい、主様。直ぐに」
身を翻してお出かけになる主様を見送って、急いで自室に戻ります。
荷物をおいて、手早く身支度を整えたら私も直ぐに後を追って・・・。
段取りを考えながら主様に捕まっているであろうくろ様の事を思うと、少々申し訳ない気持ちになったりも致しますけれど・・・、生き生きと嬉しそうな主様を見るとくろ様にはこのままお付き合い願ってしまおうとこっそりと思うのでした。

__ゆきじ作:2010/09/08~10
このお話は、希紫 さんのみお持ち帰り下さい♪

蝶子ちゃんお借りしましたよ★
帰宅途中にくろさんと買い食いするお話が書きたかったんです!<理由は不明w
蝶子ちゃんの口調など難しかったので希紫さんにチェックして貰ってOK貰ったし(^^)

個人的に真剣にアイスを選んで13歳に微笑ましく見られているくろさんがナイスだと思いますw
希紫さん、可愛い蝶子ちゃんお借りしちゃいましたv
_____

■ねこしょうかい★
猫写真の紹介です(笑)<別名:親ばかコーナーです(>ワ<///
takara6-15
takara6-15 posted by (C)ゆきじ
ごろ~ん♪


Thank20You.gif
nice!(48)  コメント(2) 
共通テーマ:キャラクター

nice! 48 /現在nice!: 50994v キリnice!№要チェック~☆

コメント 2

コメントの受付は締め切りました
希紫

ゆきじさん、素敵なお話とイラストありがとうございますね。
くろさんと一緒にアイスを食べれて幸せです。
くろさん、かっこいいなぁ~w 蝶子はとっても可愛いしw
お話、何度読んでもニンマリしちゃいます。

お言葉に甘えましてイラストとお話、頂いて帰りますね。
今からブログを更新するので、アップしますね~。
それでは失礼いたします。
by 希紫 (2010-09-15 00:35) 

ゆきじ

>希紫 さま
ありがとうございます♪
お話と挿絵っぽい物のお受け取り感謝です~(^^)
蝶子ちゃん可愛いので、書いても描いても楽しかったですv
ブログも更新との事なので遊びに行きますね~★
by ゆきじ (2010-09-15 01:07) 



『Livly Island』『リヴリーアイランド』は、株式会社ゲームポットの登録商標です。
リヴリーアイランドに関わる著作権その他一切の知的財産権は、 株式会社ゲームポットに属します。
このサイトは『リヴリーアイランド』 および株式会社ゲームポットとは一切関係がありません。
このブログの絵文の著作権は管理人が有し、無断転載・配布・加工等は禁止です。※配布以外の絵文のお持ち帰り禁止。
ブログにある版権物等は各出版社や発売元とは一切関係ありません。
≫ キリnice!:54321
→nice!:55555/56789

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。