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アイランウォールのお話 [→藍浪]

■萩梨さんへ捧げ物♪
■アイランウォールのお話w
■ねこしょうかい★
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■萩梨さんへ捧げ物♪
お話にルフィルトおねーさんお借りしましたので、挿絵っぽい物ですw

novel_aylan101104.jpg
萩梨さんのみお持ち帰り下さい♪

萩梨 さんのブログ『書き散らかし』はこちら

続きに原寸がありますw
本文と共にお楽しみ下さいv
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■アイランウォールのお話w
萩梨さん宅のルフィルトおねーさんと仲良くさせたい野望です!(笑)

 ̄ ̄『花言葉(スイートピー)』 ̄ ̄

空は青く雲は白い。
日はまだ高くあって、約束の時間には余裕がある事を示していた。
私は一つため息をついて、公園内を駆け回る子供たちに目をやった。
視線の先では6~7歳程の男の子や女の子合わせて4~5人の子供たちが鬼ごっこでもしているのかきゃあきゃあと騒ぎながら公園内を所狭しと駆け回っている。
その様子を何気なく目で追っていると、その内に子供たちは公園から通りを一つ隔てた商店街へ移動を始めた。
ハシャぎながら駆けていく子供たち。
と、その内の一人が道ばたで何かに足を取られたのかバタンと転ける。
丁度花屋の前だったのだが、表に並べてある花の手入れをしていた女性が子供に駆け寄り、何かしら声を掛けつつ抱き起こした。
子供はベソをかきそうな顔をしていたが、掛けられた言葉に(唇の動きを見る限り、泣かないの、えらいね、流石は男の子だ、格好いいね、とかそんな感じのようだ)ぐっと涙を堪えて、転んだ際に打ったのか膝頭を撫でていた。
女性はその膝小僧をぱっぱと払ってケガの無いのを確認して子供を送り出した。
先に行っていた幾人かの子供たちも近くまで迎えに戻っていて、その子供もすぐに笑顔で合流すると商店街へ向かい振り返る事もなく掛けだした。
その様子をふわりとした肩より少し長い金髪を軽く風に揺らし、澄んだ緑色の瞳で子供たちの駆ける姿を見送りにこにこと微笑んでいる。
左目にモノクルを掛けていたのが印象的だった。
やることも無く、何とは無しにそのまま女性を眺めていると、表の花の世話の続きを始め、楽しそうにくるくるとよく動き、丁寧に世話をする姿に好感を持つ。
その内に表の花の手入れも終わったようで、その女性も店内へ戻ってしまった。
木陰も日の傾きに沿って移動し始め、あまり得意では無い日光の元ベンチに座っているのも辛いので、自分も移動する事にした。
腕時計を見れば少々時間は早いがどうにも早すぎる事もないだろう。
公園を出て先ほど眺めていた花屋の前を通り過ぎる。
いくつかの種類の花が店前に並び、そのどれもが生き生きと花を咲かせ、蕾を膨らませている。
一つ欲しい気もしたけれど、これから人に会うのだ。
今はやめておこう。
帰りに・・・もしもその御方に会った帰りに、この道を通る事があれば一つ買って帰ろうと思う。
・・・普段、花など欲しいなど思ったこともないのだが、長年安否を気遣い捜し求めて居た御方とようやく連絡が付いた。もしかしたら、会えるかも知れないと思うとどうにも気持ちが浮き足立っているのかも知れない。
気持ちを落ち着かせようと花達を前にしたまま一つ深呼吸をした。
色々な花の清々しく甘い香りが胸一杯に広がる。
気がつくと店内からさっきの娘さんがこちらを見ていて目があってしまった。
・・・ああ、そうか。
花を前に立ち止まっていれば、客なのかどうか判断しなければならないものな。
少し照れくさくなって、軽く会釈をしてその場を去る。
無事に会えるように手配はしたものの、本当に会えるのかどうかはあの御方のお気持ち次第だ。
国元にお帰りになるお気持ちがなければ、今日の約束の場にも現れないだろう。
・・・不安な気持ちのまま、約束の店へ足を向けた。


結果として。
その御方は約束の時間に約束の場所へおいで下さりました。
最後にお見かけした十歳(とお)を幾つか越えたばかりの頃よりもうんと成長なされて御年十八歳・・・私の記憶にあった少年はすっかり青年となられ、その面差しや特徴のある銀色のメッシュが、先代様とよく似ていらした。
主様のご不在の間の詳細などお伝えするべき事は山のようにあったのに、その立派に成長された御姿を拝見し、記憶の中から呼び起こして下さった我が名を呼ばれた時には情けなくも感極まり、よくぞご無事でおいで下さりましたと声を絞り出すのがせいぜいの有様だった。
我が事ながらふがいなく嘆かわしい限りだ。
それでも幾つかの会話をこなし、意思の確認を取ると、今直ぐの帰還は考えにはないが、前向きに検討をされている様子は伺えた。
今はそれだけで充分だった。
逆に、国元から護衛をと言う話はキッパリと断られてしまった。
御身の安全を思えば気が気ではないと申し上げると、逆に身を潜める邪魔になるのだと諭されてしまう始末。
事実、お探し申し上げていたこの数年の間、決して誰にもその足跡を気取られなかった事を思えば、逆にマーカーのように目立つキッカケと成りうる。
それを思えば大人しく引き下がるしか無い。
私が国元を出て、お近くに居を構える案もあったのだが・・・ご不在の間の職務もまた全うせねば成らぬのも確かだ。
お戻りあそばされた時に、一切の不備無く国のすべてをお渡しし、正しき姿に戻さねばならぬ。
護衛のためにこの辺りに居を構えることは断念せざるを得なかった。
他にも幾つかの意思確認、現在の状況などお聞かせ頂いて、次のアポイントメントを取り付け、店を後にした。
護衛を兼ねてお住まいまでお送りさせて頂きたかったが、許可は頂けなかった。
仕方なくその御姿の見えなくなるまでお見送りをさせて頂き、帰路を辿る。
いつの間にやら空は夕暮れを過ぎ、夜の帳を降ろし始めていた。
道の先に花屋を見つけた。
どうやら公園の前まで戻っていたようだ。
花屋もそろそろ終業の時間らしく、表に出してあった花々を店内に仕舞う作業をしていた。
花を一つ分けて貰おうと思っていた事を思い出したが、片づけを始めた姿を見ると声を掛けづらい。
さて、どうしたものか・・・。
「・・・あ、昼間の・・・」
片づけの手を止めて振り返った女性の左目にはモノクル。
肩より少し長い金髪をふわりと揺らし、澄んだ緑の瞳で私を見る。
「あの。すみません。もう終わりですか?」
このまま黙っているのもどうかと思い、声を掛けると女性はくすっと笑って答えた。
「店はそろそろ終わりですが、まだ大丈夫ですよ? どのコにします?」
・・・どの花がどのくらい要るのか、そういえば考えていなかった。
「・・・そう、ですね。えっと、では、机に小さく乗せられそうなものをお願いします」
「そうですね~、んっと、スイートピー・・・このコなんかいかがですか?」
一本の茎にふわりヒラヒラとした花が幾つも咲いていて、可愛らしい花だ。
「では、それをお願いします」
「はい、ラッピングしますので、少しお待ち下さいね」
女性はそう言うと、たくさんの花の中から一本を抜き取り店内へ入ると、五分もしない内に戻って来た。
その手には綺麗にラッピングされた花が収まっている。
「余り振り回さないように持って下さいね。帰ったらラッピングをほどいて・・・面倒な時はこの、下の部分だけ切って水が通るようにして花瓶やコップに挿して下さい。お水にはコレを溶かして入れて下さい。栄養剤です」
花を手渡しながら諸注意事項を伝え、最後ににっこりと「ありがとうございました~」と笑った。
「・・・あの」
「? はい?」
小首を傾げ、立ち去らない私を不思議そうに見ていた女性に尋ねる。
「お代はいかほどでしょう?」
「え? あ! 済みませんっ! えっと、150doodooになります」
財布を取ろうとポケットに手を入れると、先ほどの店で貰った釣りの札がそのままねじ込んであったので、その内の一枚を手渡す。
「釣りはいいです」
「え? ダメですよ、お釣りを持って来ますから、待ってて下さいね、すぐですから!」
そう言って店内のレジへ向かう。
言葉の通りすぐに取って返しそうな様子に、レジの横に置いてある小箱を指し示す。
小さな小箱には大きく募金箱と書かれていた。
「では。その箱に残りは入れて下さい」
「え? あ、はい」
「・・・今日は、とても良いことがありましたから」
指示された物の、本当にお釣りを入れて良いものか躊躇していたようだったが、私の説明を聞いて素直に納得したらしい。
「ご協力ありがとうございました~」
女性は小銭を募金箱に入れるとにっこりと笑って礼を述べた。
「こちらこそ、素敵な花を見立てて下さってありがとうございます、お嬢さん。・・・今日は、良い日でした」
にっこりと笑みを向けて礼を述べる。
「あ、いえ」
少し頬を赤くして、女性が続ける。
「何か良いことがあったみたいで良かったですね? そのお花、スイートピーにも優しい思い出とか、ほのかな喜び・永遠の喜びとか素敵な花言葉があるんですよ? あ、あと、門出とかもあったっけ」
「永遠の喜び・・・、門出・・・。それは本当に素敵だ。ありがとう、可愛いお嬢さん」
表の花の片付けの続きをする為に戻って来たのだろう、女性の片手を取り、その手の甲に軽く口付けをした。

novel_aylan101104.jpg

「では私はこれで。素敵な花の見立てをありがとう」
何故か顔を真っ赤にっして、複雑そうな表情で自分の手を握りしめている女性に別れを告げて帰路につく。

永遠の喜びと門出。
願わくば、別れの門出では無く、始まりの門出で有りますように。
永遠へ続く道に繋がる門出で有りますように。

__2010-10-26~28 ゆきじ:作__

手甲にキスしたりと積極的に見えるアイランさんですが、実は貴族なお人なので、挨拶キスw
本来はちゃんと相手の許可を得てキスするモノなんだけど、手を取って拒絶されなかったのと、テンション上がってた事もあって手甲キスしたらしいですよ(笑)
おねーさん的には手をとられて「なんだろう?」くらいからの手甲キスだったのでOKもNOも無かったと思われるw

前半はアイランさん個人的な感じ/周囲から浮かないように用心(素でもある)
中半はちょっと仕事立場モードな感じ/対面したらモード全開しかけたっぽいw
後半は貴族的個人な感じです/この辺りも案外と素かも?
くろさんとはちょっと違う、ナチュラルなお人のようですw

こらから萩さん宅のルフィルトおねーさんと仲良くなれたらいいな~と思いつつv
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■ねこしょうかい★
猫写真の紹介です(笑)<別名:親ばかコーナーです(>ワ<///
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takara8-18 posted by (C)ゆきじ
物陰から


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木村瑞希



お久しぶりの書き込みになってしまいましたが…
お久しぶりです!(´ω`)
やっぱり、ゆきじさんのブログを見ると落ち着きます(^^*)
これからも、よろしくお願いいたしますね!


by 木村瑞希 (2010-11-05 17:52) 

ゆきじ

>木村瑞希 さま
ありがとうございます♪
お元気そうで何よりです~vvv
お年賀企画、参加したいなぁと思いつつ、こちらから送れそうにないので自重ですorz
麗紗姉さまと絡みたかった(笑)
ブログ、落ち着きます?
えへへv
そんな風に言って貰えると嬉しいです(^w^///
こちらこそ、まだまだ仲良くして下さいませ~vvv
by ゆきじ (2010-11-06 00:35) 



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