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鷲くろSP!/新ブログ♪ [→しんり・くろ・ぽとふ]

■さよならに続く(漫画)
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■さよならに続く(漫画)
先日鷲庵さんとくろさんがお別れしました。(※現在ちゃんと復縁してますvvv)
その時のお話を・・・。

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鷲庵さんお借りしましたvvv
希紫ルオン さんのブログ『海星』はこちら

大好きで、大好きで。
大好きだから、さよならをあげる。
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■さよなら(お話)
『さよならに続く』の漫画の続きです。
千龍寺の皆さんをお借りしましたvvv
希紫ルオン さんのブログ『海星』はこちら

『さよなら』


 千龍寺から下へ降りる階段の前で、振り返る。
 そこには鷲庵が居て、その隣では良寛が少し複雑そうな顔をしながらも、何も言わず見送ってくれている。
 鷲庵を挟んで反対側には蝶子が二人。
「本当に、離れて…しまいますの?」
 白蝶はポロポロと大粒の涙をこぼしながら俺に声をかける。
「…うん」
「バカ! 主もくろも、大バカよ!」
 俺の返事に黒蝶が素直に怒りに似せた寂しさと悲しみの感情をぶつける。
 行かないで欲しい。
 そう思いながらも俺と鷲庵の意思を尊重して、二人はその言葉は口にしない。
 だから、俺は二人を両の腕でしっかりと抱きしめて礼を言う。
「ありがとな、蝶子。二人のおかげで何の不自由もなく過ごせたよ」
 白蝶は首を振りながらぎゅっと抱き締め返し、黒蝶は涙の粒を乗せた瞳で真っ直ぐに俺を見る。
「アストラル体、使えるようになれ。きっと二人の役に立つ。…それしか残せなくて、ごめんな」
 黒蝶の瞳から堪え切れなかった涙が落ちると、それを隠すように黒蝶も俺の肩に顔を伏せて首を振った。
「良寛」
「はい」
 ぽんぽんと軽く叩くように蝶子達の頭を撫でながら良寛へ声をかける。
「鷲庵の事、頼むな」
「…必ず」
「寝ないって駄々こねたら、遠慮なく締め落としてやれ。俺が許す」
 笑みを向けて言えば良寛も泣きそうな瞳に笑みを浮かべて「了解しました」とかしこまって返事をした。
「くろ!」
「零鷲、春迦」
 不意に掛けられた声の方を見やれば零鷲と春迦だ。
 蝶子達が場所を譲るように俺から離れ、入れ替わりにと零鷲にきつく抱きしめられる。
「なんで、どうして」
 俺が鷲庵の元を離れる理由は、昨日、鷲庵と共に零鷲の居る西の迎賓館へ出向いて話した。
 話して尚、分かっていても、納得出来ない感情が口をついてしまうのだろう。
「クソジジイなんか…ッ」
「零鷲」
 その先の言葉を遮るように零鷲に声をかける。
「寿緑なんかに囚われてくれるな」
 俺を抱きしめてくれる零鷲の瞳を真っ直ぐに見つめて笑う。
「零鷲が…あるいは鷲庵が、千龍寺を継ぐんだろ? だったら寿緑に囚われたままで継いでくれるな」
 零鷲の手入れの行き届いた綺麗な髪を撫でながら続ける。
「…零鷲や、鷲庵にとってのここは…寿緑の継いだ千龍寺は、きっと俺なんかには想像も出来ないほど、辛くて悲しくて苦しい場所だったんだと思う。だから、その象徴である寿緑に対する感情もよく分かるよ」
 短い間だったけれど、俺には決して見せないようにしていたけれど、それでも俺は…零鷲と鷲庵の心の奥底で、酷く暗く重い負の感情が静かなマグマのように消えることも冷める事も許す事も出来ずに、じっと寿緑に対して沸き続けている事を知っている。
 それは、寿緑の仕掛けた呪術のような物だ。
 負の感情が深いほど、決して寿緑から逃れられなくなる。
 …分かっていても、そうするしか無いくらいに、寿緑はそれらを続けて来たんだと思う。
 でも。
「でも、俺にとっての千龍寺は、愛情と優しさばかりの場所だったよ」
 零鷲が驚いたように目を見開いた。
「だから、大丈夫。お前達が継ぐなら千龍寺は、俺を護ってくれたみたいに、人を護れる場所になる」
 ぎゅっと零鷲を抱きしめて、その背中をぽんぽんと優しく叩く。
「大丈夫。零鷲は、誰よりも強くしなやかな優しさを持っているから。寿緑なんかに囚われなくて、いいんだ」
 身を離して軽く押しやれば、バランスを崩しそうになった零鷲をしっかりと春迦が抱き締めるようにして支えた。
「その為なら、いくらでも春迦が手助けをしてくれる」
「はい」
 静かだけれど確かに響く春迦の声に俺は笑みを返す。

 そして、深呼吸を一回。

「鷲庵も」
「…難しいな」
 苦笑してみせる鷲庵に祈るように囁いた。
「うん。それでも、囚われてくれるな」


 …この別れも、寿緑の計略が一枚絡んでいた。

 その話を耳にしたのは数日前だった。

 普段俺が足を向けない僧房の縁の下で、近所のネコと遊んでいた時に偶然聞いてしまったその会話。
 詳しいことはよく分からなかったけれど、寿緑が俺を誰かに使役させてどこかに出向かせる。と言った内容で、寿緑が言った事は『絶対そうなる』んだと、鷲庵が苦しそうに笑った事を思い出した。
 …だとすれば、俺は鷲庵から離れる事になる。
 嫌だと言えば、鷲庵に負担が掛かるんだ。

 鷲庵には、小さな頃から目的があって、それは千龍寺の跡継ぎになる事。
 その為に彼はずっと、ずっと…寿緑の期待に応え続けてきた。
 傷つきながら、必死に耐えて堪えて。
 でも。
 今度は俺が道具として使われる為に鷲庵から離されると知ったら、どうするんだろう?
 鷲庵は『絶対にそうなる』と言った。
 それは…例外などあり得無い絶望的な経験が裏付けてきた言葉。
 鷲庵がどれほど足掻いても…どうにも出来ない事になるんだろうと想像する。

 寿緑が俺を使うと言うのなら、その目的は影楼退治だろう。
 影楼を還すのが無死喰いの行動理念でそれは本能にさえ近い。
 だから、その為の力と望まれるのならそれでもいい。
 でも、俺の本来の能力はその殆どが使えなくて、生きるにも他人の協力が要る。
 …その他人が鷲庵であれば何の問題も無いのだけれど、鷲庵は寿緑の片腕に近い働きをしているらしいから、その状況は考えられないし、そうなれば、俺には想像もつかないような環境で使われる事になるのだろう。
 影楼を還す為に泥に這う蟲を喰らいてでも生きる続けるのがよしとされる中で生きてきたから、どんな扱いを受けようと恥とは思わないけれど。
 でも、そうやって生き延びても鷲庵には会えなくなるって事なんだよな?
 それは…嫌だ。

 こんなの…鷲庵には選ぶことなんて出来ない話だ。
 嫌だと言えば、今まで泣く事さえも堪えて来た全てが終わる。
 了解すれば、俺に対する自責の念で壊れてしまう。寿緑の事も、自分の事も憎んで囚われて抜け出せなくなる。
 それも、嫌。

 何度考えても、堂々巡りを繰り返しても。
 嫌だ。
 出来ない。
 そんな答えばかり。
 …鷲庵も零鷲も、千龍寺にあってはいつもこの二つからしか答えを出すしか無かったんだ。
 囚われるな、なんて…簡単に言える言葉じゃない。
 それでも。
 囚われた魂の行く先は…堕ちるしかないから。


 ずっと悩んで、考えて。
 あの日、鷲庵の前から消えようと思った。
 …ちょっとだけ、ズルしようと思ったんだ。
 でも、大事だと言って貰えたから。
 その言葉に心の底から愛されているんだと、感じたから。
 俺が鷲庵にあげられる、最後の一つを…あげるね。


「鷲庵」
 大切な人の名前を呼ぶ。
 大切な人にそっと手を伸ばして触れる。

 愛しくて
 愛しくて、
 愛しくて。

 ただそれだけで、歓びに涙が溢れそうになる。

「くろ」
 大切なその人が俺の名を呼べば胸が高鳴る。心の遠くまで響くその声が好きだ。
 大切なその人がそっと、とても大切そうに触れてくれるのが心地よくて、幸せで。
 ただ、共に時の過ぎるだけで満ち足りたよ。


「これ…外して」
 意を決して自分の首の辺りへ手を添えると、見えなくしていた首輪とそれに連なる短い鎖が現れる。
 複数人の術が複雑に入り混じり、通常の手段では外すことの出来なくなったソレは、調伏の証。
「ずっと。外してやりたいと思っていた…のに…」
「俺は、このままでも良いと思ってた」
 鷲庵の声がどこか淋しさを纏いながら呟くけれど、俺は…このままでいいと思ってたんだ。
「これがあれば、ここに…鷲庵の傍に居てもいい正統な理由になるって…狡いけど、思ってた」
 実体を無くして、帰るべき里からも離れて、俺も不安だった。
 だから、千龍寺と…鷲庵と縁が繋がるならと、それを受け入れてしまった。
 頼って、縋ってしまったんだ。
「鷲庵も、零鷲も、苦しませてごめんな」
 二人とも俺がそんな風に思っていたなんて考えても無かったんだろう、少しだけ驚いたように俺を見て「そんな事無い」と首を振った。
「鷲庵。…頼む」
 唇を笑みの形にして、鷲庵に声を掛ける。
「外…せるものなの?」
 春迦に支えられた零鷲が恐る恐る問う。
「ん…。外すのとは少し違うけど…無効には出来るんじゃないかと思う」
 鷲庵が短い鎖を持つとチャラリと音が鳴る。
「…俺と、千龍寺の縁を切るんだ」
 零鷲が訝しげに綺麗な眉を寄せる。

 調伏の証を外す方法は…俺と千龍寺との縁を切る事。
 俺と千龍寺の縁の、その始まりと終わりと繋ぐ事でループさせ、この先に繋がる縁を消滅させる方法。
 それは俺の本体を封印した時に使った方法と良く似ている。
 今までその方法を口にしなかったのは…、もっとずっと、鷲庵の傍に居たかったから。
 鷲庵は、俺の居たここは、千龍寺との縁の中に存在していたから。

 …縁を切れば、縁が無くなれば…俺はもう、ここに居続ける事は出来ない。

 それでも
 鷲庵は俺を護る為に
 俺も鷲庵を護りたいから

 縁を切る。

 辛くても
 つらくても
 それで護る事が出来るのなら。


 鷲庵の指が、俺の首輪に掛かり、ゆっくりとその輪を切る。
 俺はそのプツリと切れた環の端と端を片方だけ捻って繋げた。
 首輪は何事も無かったかのように暫くそのまま表れていたけれど、ゆっくりとその姿を霧散させ始める。

 それど同時に、俺の中から千龍寺との繋がりが…鷲庵や良寛、蝶子達、零鷲や春迦と縁遠くなるのを感じる。
 皆、俺に対して同じように感じているんだろう。
 白蝶が耐えきれないと崩れるように座り込んで、それでも健気に声を殺したまま、泣き崩れる。


 俺が自分の気持ちに、鷲庵が好きだと気が付いた時には調伏を受け入れた後だった。
 だから、どんなに情を交わしても対等になる事が出来なかった。
 超えられない調伏の壁が、対等の人として隣に立つ事を阻んだ。

 だけど。
 今、ようやく一人の人として。
 同じ大地に立つ只の一人の人として、伝えられる。
「愛してるよ、鷲庵」
 真っ直ぐにその瞳を見つめて、鷲庵に口付けをした。

「この縁は消えてしまうけど…沢山の愛情を、ありがとう」
「礼を言うのは、俺の方だ」
 鷲庵に強く抱き締められて、抱き締め返す。
 強く、強く。
 離れたくない気持ちのままに。
「鷲庵のお陰で、俺は、こんなにも人を好きになれるんだって、…知ったよ」
 抱き締められたまま、鷲庵の匂いを胸一杯に吸いこむ。
「俺は又、誰かを好きになる。…お前がくれた感情だから、きっと好きになれる」
 胸の奥から溢れ続ける感情は、涙に形を変えて頬を伝い落ちて行く。
「…だから、鷲庵も、ちゃんと大切な人に看取られて逝け」
 涙の流れ落ちるまま顔をあげて彼を見れば、鷲庵も腕の中の俺を見詰めていた。
「ちゃんと目的を果たして千龍寺を継いで、お前の求める千龍寺にしてからだぞ?」
 鷲庵の赤い瞳が、いつも綺麗だと思いながら見つめてた彼の瞳に自分が映る。
「それは、俺では無い誰かだけれど」
 そこに映る自分は、笑顔で有りたいと願うから…
「幸せである事を、信じてる」
 鷲庵の未来を信じて、心からの笑顔で、笑った。
「さよなら、鷲庵。愛してるから…さよなら」


 荷物は来た時と同じ、風呂敷に代えの着物と下着が包んであるばかりだ。
 沢山の物を貰ったけれど、大切なそれらはそのまま置いて来た。
 手元にあれば…心が残るばかりだから。

 皆と別れて千龍寺の階段を下りる。
 振り向かず、真っ直ぐ背筋を伸ばして、離れて行く。

 心は千切れそうな程に、痛くて苦しくて呼吸さえままならないけれど
 それでも、振り向かないし、立ち止まらない。

 最後の一段まで降り切って、ゆっくりと振り返る。
 階段の上は、良く見えない。
 向こうからは見えているのかな?

 俺は、大丈夫
 心配しなくても大丈夫だから
 安心して、笑って?

 片手を挙げて大きく手を振る。
 何度か手を振って、千龍寺へ背を向けて歩き出した。


ーーー
終わり

くろさんの感情に振り回されるまま書いちゃいました。
凄く読み難いと思います。
でもこれ以上読みやすく整頓しては書けませんでした。

くろさんと鷲庵さんのお別れのお話です。
ああ、早く再会のお話が書きたい(^^///
_____

■新ブログ♪
今回の記事は鷲くろスペシャルですよ★
鷲庵さんのお誕生日に併せてらくがきくろさん更新用にブログを一つ作りました(笑)

10x96blog.png日々是好日

暫くは鍵無し公開しますが、その内鍵付きにしようかと思います。
うん、まぁ、そーゆう絵もそれなりに(笑)
殆どが鉛筆ラフ描きだと思いますが、その分のんびり更新出来たらいいと思いますv
_____

■ねこしょうかい★
猫写真の紹介です(笑)<別名:親ばかコーナーです(>ワ<///
neko07-03
neko07-03 posted by (C)ゆきじ
腕まくにゃしてあげる(ずーむw


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希紫ルオン

漫画とお話、何度拝見しても悲しです。うう……(泣
新ブログ、開設されたのですね。
わわww 拝見しに行ってまいります~w
by 希紫ルオン (2012-07-03 19:51) 

ゆきじ

■希紫ルオン さま
ありがとうございます♪
漫画もお話も切なくて泣ける泣ける。
号泣ですよ~;
でも次の更新では病院での再会まで書けたらいいなと思いますv
…まだ真っ白なので頑張ります(^w^///
新ブログ、やっぱり作ってしまいましたw
こっちのメインと違って思い付き更新が出来たらいいなと思います♪
どうぞ宜しくです~(>v<///
by ゆきじ (2012-07-04 00:37) 



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